JR東海「飯田線秘境駅号」4月運転 日本屈指の「秘境駅」の宝庫を満喫できる観光列車

JR東海は、手軽に秘境駅の非日常感を味わえる臨時急行列車「飯田線秘境駅号」をこの春も運転します。

天竜川の断崖と前後のトンネルに挟まれた飯田線の「秘境駅」田本駅(TOKYO STUDIO/Katsumi)
天竜川の断崖と前後のトンネルに挟まれた飯田線の「秘境駅」田本駅(TOKYO STUDIO/Katsumi)

2010年に運転が始まった人気の観光列車「飯田線秘境駅号」は、飯田線豊橋駅〜飯田駅間に上下各1本運転される全車指定席の急行列車です。特急「伊那路」と同じ運転区間で、使用車両も同じ373系3両編成が使用されますが、特急が通過する「秘境駅」に次々と停車し、駅の雰囲気を満喫できるよう5〜20分の停車時間が設けられているのが特徴です。特急列車が2時間33〜40分で走破するところ、「飯田線秘境駅号」の下りの所要時間は5時間40分、上りは4時間41分かけてゆっくりと移動します。

「秘境駅」とは、山中などにあり、駅周辺に人家や人の気配がまったく感じられず、道路も整備されていないことが多く鉄道以外での到達が難しい駅のことです。鉄道愛好家の牛山隆信氏が自身のホームページで秘境駅ランキングを発信し、その魅力を伝えています(以下、順位は牛山氏ホームページのランキング(2021年1月23日現在)による)。

「飯田線秘境駅号」が停車する「小和田(こわだ)駅」(3位)は、長野・静岡・愛知の3県境に位置する秘境駅ランキング上位の代表格です。また、天竜川沿いの断崖にあり、前後をトンネルに挟まれ山道でしかアクセスできない「田本駅」(5位)にも停車します。ほかにも「柿平駅」(172位)、「中井侍(なかいさむらい)駅」(10位)、「伊那小沢(いなこざわ)駅」(62位)、「為栗(してぐり)駅」(13位)、「金野(きんの)駅」(6位)、「千代駅」(20位)といった、普段なかなか行くことのできない日本屈指の秘境駅を一度に味わうことができます(路線図は下図を参照)。

【時刻表と路線図で解説】JR東海 臨時急行「飯田線秘境駅号」

2021年春の運転日は4月10日(土)・11日(日)および16日(金)〜18日(日)の5日間で、各日とも上下各1本が運転されます(運転日カレンダーと時刻表は上図を参照)。乗車券のほかに急行券・指定席券が必要です。急行券・指定席券は乗車日の1か月前午前10時から全国のJRの主な駅で発売されます。また、各旅行会社からは「飯田線秘境駅号」がセットになった旅行商品も発売されます。